アーユルヴェーダ情報局「心と感情について」

『心と感情』

 

「チャラカ・サンヒター」第8章6節で、アーチャーリヤ(法を教授する師匠や僧侶)は、

人が繰り返す行動に、その人の心が表れると説いています。

 

それは、表れる行動の性質こそが、人の中で一番強く働いている性質に違いないからである、とされています。

健康な人間の体内では、エネルギーはいつも順調に流れています。すべてのレベルのエネルギーが互いに調和しながら働いているからです。体、感覚、心、意識、そしてその他すべての体の部分がひとつになって、生命の不思議さ、美しさを表現します。したがって、どこかのレベルで障害が起きると、健康な状態を保つことができなくなるのです。

 

体は、ある意味では体内の見えない部分を映し出す鏡でもあり、これまでどんな体験をしてきたか、そしてそれらを

どのように受け入れてきたかを表しています。大切に保護されなければならない体ですが、なかなかそうはいきません。

私たちの心は、次々と新しい経験を求めているからです。体ほど顕著でなくても、心にも性質があり、その意味では肉体と同じであると、アーユルヴェーダは教えています。心も正常に働くためには、体と同じようにバランスが必要なのです。

 

心は体より素早く変化し、体よりも丁寧な対応が必要なので、うまくコントロールするのはより難しくなります。

アハンカーラ(我慢)が強すぎて、内なる知恵との広がりが失われ、自分が万物とともに、宇宙の一部であるという一体感を

感じられなくなってしまうことがあるのです。アーユルヴェーダでは、すべての病の原因は、心と体の双方にあるといわれています。したがって、健康を取り戻し、維持し続けるためには、両方に気を配らなくてはなりません。

一方のレベルが良くなれば、もう一方のレベルにも自ずと反映されるのです。

 

『あなたの心』

 

心と知性が、あなたの感覚と行動を結びつけています。この2つの要素が、内外の環境と心の中で起きる変化を管理するのです。当然ながら、心の状態は全身に反映されます。肉体のレベルで体験したことは、どんなことでも感覚を通じて伝達され、感じたことはすべてドーシャに関連した性質をもちます。味覚がもっとも良い例ですが、他の感覚も同様に働きます。

例えば、暴力映画はピッタを増加させる性質があり、くすぐられるとヴァータが増加します。

 

このように感覚の性質によって、自分のドーシャが増えてしまうケースを覚えておいてください。ここでも、同じ性質のものはその質を強めあう、という原則が働いています。見聞きしたくないものはほどほどにして、自分をもっと健全にしてくれるものを楽しんでください。心がどれだけ澄んでいるかは、その使い方によって違います。筋肉と同様に、適度に使うのが良いのです。使いすぎたり、また全然使わないというのは良くありません。ピッタ体質は気性が激しく、短気です。読書や、パズルを考えるのが好きですが、のめり込む傾向があります。カパはおっとりタイプなので、たまに気持ちを昂ぶらせるのは良いことです。ヴァータはアイディアが豊富で、何かに出会うたび、新しいことを考えつきます。

 

1つか2つ、実現性のある考えだけに集中して、計画、実行へと進んでください。どんな体質であれ、頭を使う仕事はピッタを増加させます。また、テレビやコンピューター画面などを見すぎると、興奮状態がつづいて、ヴァータに悪影響を与えます。単調な仕事を繰り返していると、心の動きが鈍くなり、カパを増加させます。しかし、過度の程度は、人によって、また状況によって異なります。

 

『感情を癒すもの』

 

慰めを強く求めているときは、甘いものが欲しくなります。心を癒やしてくれる食べ物には、味も感触も、カパの性質を持ったものが多いようです。傷ついた心を癒やすとき、味覚以外の感覚も使いましょう。友人と一緒に過ごしたり、アロマテラピーのマッサージを受けたり、静かな音楽を聴いたりしてください。感覚的な体験では、バラのあまい香りもそうです。カパと同じ性質を持っているとされています。